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2007.2.1(木)更新  美・博ピックアップ
美・博ピックアップ
炎と土が成す「美」の世界

日本民芸館
「柳宗悦と丹波古陶」
 民芸運動を主導した柳宗悦(1889〜1961年)が、晩年に特別な情熱を傾けて収集した「丹波古陶」。現在の兵庫県篠山市付近に位置する丹波の名は、茶器の産地としてすでに知られていた。しかし、柳は当時誰も注目しなかった、つぼや甕(かめ)といった日常で使われる器に潜む「美」に目を向け、その素晴らしさを説き続けた。今展は鎌倉時代から江戸時代までの約120点で、柳を魅了した丹波古陶の世界を紹介する。(3月25日まで)

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鉄釉角鉢(江戸時代中期)。
柳が「忘れがたい品」と話すこの鉢は農家でニワトリのえさ入れとして使われていた。

黒釉流彫絵魚文甕(江戸時代中期)。
内側から魚の型を押し出し、くぎ彫りでうろこを表現。

 ■自然釉甕(鎌倉時代)

 丹波古陶の特徴の一つとして挙げられる「自然釉(しぜんゆう)」。焼成する際、器に降りかかった灰が陶土の成分と混ざり釉薬になったもので、「灰被(はいかづき)」とも呼ばれる。土の質感をそのままに残したこの甕の肩の部分にも、「灰被」がたっぷりとかかり、装飾を排した特有の存在感を放つ。灰の被り方は意図的に調整できるものではなく、炎や陶土の加減で毎回風合いが変わる。

 人の力が及ばぬ自然が作る美しさ−−。意識的に彩られた器より、自然の力に委ねた素朴な姿を残す丹波古陶を、柳は「最も日本らしき品、渋さの極みを語る品、貧しさの富を示す品」と評した。

(2007年2月1日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

 

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