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2007.2.8(木)更新  美・博ピックアップ
美・博ピックアップ
好奇心と才気 縦横に

横浜美術館
「小島烏水 版画コレクション展−−山と文学、そして美術」
 文明開化の港町・横浜に生きた一人の文化人がいた。近代登山、山岳紀行文の先駆者にして浮世絵研究家、版画コレクターでもあった小島烏水(うすい=1873〜1948年)。銀行を一行員として勤め上げながら、多分野で道を究めた希代の才人だ。今展では、彼が収集した東西の版画コレクション約250点や著書などの関連資料を公開。旺盛な好奇心で山、文学、版画へと広がった「小島ワールド」の魅力に迫る。(4月4日まで)

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勝山繁太郎「両国之花火 東京自慢」(1890年)。
明治中頃に流行した石版画。

ミレー「羊飼いの女」(1862年)。
アメリカ赴任中には西洋版画を独学で系統的に収集。帰国後開いた展覧会は美術界で大きな話題となった。

 ■歌川芳虎「武智十兵衛光秀 市川小団次 夜霜菴 米升」(1862年)

 外では港に停泊する外国船を目にし、家では錦絵めくりに興じる−−。東西の文化が融合する環境で、小島は文学と山を愛する少年に育った。家庭の経済事情で大学に進学せず、銀行勤めを始めてからも仕事と趣味を両立。やがて山岳紀行文で世に知られるようになる。

 そんな小島はある時、英国人登山家の自宅で北斎の「冨嶽(ふがく)三十六景」を見て、浮世絵の芸術性に改めて目を開かれる。優品の多くが欧米に流出している現状を知ると、本格的な研究と収集を開始。広重をはじめとする風景画を多く集める一方で、当時評価の低かった江戸末期の浮世絵研究にも力を注いだ。

 独特のデザイン性が目を引くこの芳虎の大首絵も、いち早く価値を見いだしたものの一つ。こうしたユニークなコレクションが、小島の豊かな感性を物語っている。

 写真はいずれも横浜美術館蔵。

(2007年2月8日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

 

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