■ブルース・ギルデン「新宿」(99年)
ニューヨークの美術館で見た東洋の美に感動し、いつか日本に行きたいと思っていたギルデン。しかし来日が現実となり、いざ足を踏み入れたその地は、思い描いていたものとはちがっていたという。清廉な美しさはなく、雑踏と化した景色がそこにはあった――90年代、今から10年ほど前の東京である。
しかし彼の興味はすぐさま、やくざや暴走族、ホームレスといった日本の「今」へ移行した。ホームレスが飼っていたカラスを偶然見つけ、シャッターを押したというこの1枚は新宿の繁華街で撮影したもの。人間を怖がらないカラス、カラスを怖がる人間におかしみを覚えたと撮影当時を振り返っていた。
今回は37人の写真家が撮影した「東京」が並んでいる。現マグナム・フォト会長のスチュワート・フランクリンは、日本の首都であり、政治経済の中心である東京を「常に変化を続ける、エネルギッシュで眠らない都市」と表現した。
写真はすべて©Magnum Photos Tokyo
(2007年3月29日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)