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2007.4.11(水)更新  美・博ピックアップ
美・博ピックアップ
「小さな創造」が築く新世界

水戸芸術館現代美術ギャラリー
「夏への扉−−マイクロポップの時代」
 日常の小さな出来事に目を向け、独自の手法で創造の道を切り開く現代美術家たち……。そんな彼らの姿を見つめてきた美術評論家の松井みどりさんは、この10年間の日本現代美術の潮流を「マイクロポップ」という新しい言葉でくくった。今展は、この言葉を軸に15人の日本人作家を紹介。多様な作品を通して、現代に生きる若い作家たちの生き方や感性の共通点を探る。(5月6日まで)

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青木陵子「花数珠」、(01年)。華やかな色彩の花が脈絡なくつながる。
写真提供 児玉画廊

落合多武「永遠のスープと突然の明るさ」、(96〜06年)。10年にわたり描き留めた「日記的」なドローイング。
写真提供 小山登美夫ギャラリー

 ■ 奈良美智「untitled」(94年)

 「日本の現代美術における転換期」と松井さんが位置づける画家・奈良美智さんは、95年ごろから注目され始めた。発表した作品の多くは具象的に描いた「ひとクセある、かわいらしい女の子」。ドローイングのような柔らかな輪郭線と独特の色づかいで描かれた作品は、一見するとイラストのようで、前例のない作風は美術関係者に驚きを与えた。

 「描きたかったから」という感情をまっすぐに描いた奈良さんの作品を、まず受け入れたのは観客だった。決まりきった制度や価値観を気にせず、新しい「美意識」で表現を試みた奈良さんの姿勢は、後に登場する作家たちの可能性を広げるきっかけともなった。

 写真提供 小山登美夫ギャラリー

(2007年4月11日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

 

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