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2007.4.18(水)更新  美・博ピックアップ
美・博ピックアップ
描き続けた甘美な夢物語

鎌倉大谷記念美術館
「ローランサン展−−麗しき乙女たちの世界」
 ピンクや青、灰色に淡く彩られた女性や子どもたち。19世紀末のパリに生まれ育ち、「エコール・ド・パリ」の画家の1人として活躍したマリー・ローランサン(1883〜1956年)は、女性の優美さを表現した繊細かつ華やかな独特の画風で知られる。詩人アポリネールとの出会い、亡命や離婚など、人生の曲折を経て到達した円熟期の油彩を中心に、初公開の挿絵本やエッチング作品なども紹介する。(6月16日まで)

画像
「『クレーブの奥方』よりシャルトル姫 後のクレーブの奥方」(1947年)。古典文学の挿絵のために描いたエッチング。パリに戻ってからのローランサンは、舞台衣装や挿絵版画でも活躍した。

 「遊ぶ子供たち」(1939年)

 無邪気に戯れる、ふっくらとした白い肌の少女たち。神話を題材にしたこの作品では、子どもたちが「輝き」「喜び」「花の盛り」を象徴する三美神にたとえられている。子どもや女性、リボンや真珠、子馬など、女性的で愛らしいモチーフをローランサンは好んで描いた。

 詩的な作風の確立に大きな影響を与えたアポリネールとの恋と別れ、ドイツ人男爵との結婚、第1次世界大戦とともに始まった7年に及ぶ亡命生活。こうした時期の彼女の作品には、優しい雰囲気の中にもどこか現実の憂いが影を落としている。しかし、20年代に単身パリに戻ってきたローランサンを、熱気に満ちた「狂騒の時代」が歓迎した。上流階級の婦人の間で、彼女は肖像画家としても人気を呼ぶ。色彩に華やかさを増したその絵にもはや憂いはなく、人々を幸せにする甘美な夢の世界が広がっていた。

 写真はいずれも©ADAGP,Paris&SPDA,Tokyo,2007

(2007年4月18日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

 

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