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2007.5.2(水)更新  美・博ピックアップ
美・博ピックアップ
時を経て、異なる視点で

畠山記念館
「琳派−−四季の“きょうえん”」
 俵屋宗達、本阿弥光悦にはじまり、尾形光琳が大成した江戸時代を代表する装飾芸術の流派のひとつ「琳派」。作品を通して間接的に学んだとされる相承関係が流れの軸となっていて、光琳の弟・乾山や酒井抱一、鈴木其一らが活躍した。欧米での人気も高く、近代日本画にも影響を与えた。今展では、所蔵する四季の風物や植物を描いた作品を中心に、展示替えをしながら書画や工芸品約60点で300年にわたる琳派の系譜をたどる。(6月10日まで)

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本阿弥光悦「赤楽茶碗 銘 雪峯」(江戸時代、重要文化財)。焼成で生じた大きな割れ目には金粉漆が塗られ、雪解けの渓流をイメージしたとされる。

尾形乾山「色絵藤透鉢」(江戸時代)。内側にも描かれた藤の花模様が見えるよう、透かし彫りを施した一品。この種類は「乾山の反鉢」と呼ばれている。

 酒井抱一「風神雷神図」(江戸時代、5月8日から公開)

 墨が渇く前に重ねて濃淡を出す、琳派特有の技法「たらし込み」で描かれた風と光。そこに構える風神と雷神は、日本美術において様々な作家が描いてきたモチーフの一つだ。

 狩野派や土佐派といった流派も学んでいた抱一(ほういつ・1761〜1828年)は、光琳(こうりん・1658〜1716年)の作品に感動し、後に琳派と呼ばれる芸術の再興に取り組んだ。宗達が描いた風神雷神を光琳が模写をし、その作品を後に目にした抱一が、先人にならって描いたとされている。

 しかし、緑、赤、青といった鮮やかな色使いと、双幅の左上に雷神、右下に風神と離した位置で描くことで、縦長の画面をより効果的に使用した構図は抱一ならではの工夫だ。抱一は深い観察で叙情性ある作風を形成し、弟子の其一(きいつ)らと共に江戸後期の琳派を代表する作品を残した。



(2007年5月2日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

 

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