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2007.5.30(水)更新  美・博ピックアップ
美・博ピックアップ
童心で走らせた筆

うらわ美術館
「須田剋太展−−生命の讃歌」
 生命力あふれる力強い画風で風景や人物などを描いた洋画家、須田剋太(1906〜90年)。具象、抽象といった表現の枠を超え、幅広いジャンルの芸術に取り組んだ。今展は、初期から晩年にいたるまでの油彩をはじめ、書や陶芸などを紹介。司馬遼太郎の歴史紀行「街道をゆく」で使われた挿絵の原画40点を含む計132点で、50年以上に及ぶ画業をたどる。(6月24日まで)

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「曼陀羅(まんだら)」、64年、埼玉県立近代美術館蔵。素材の物質感を強調した抽象画。

「中津・宇佐のみち 宇佐神宮(B)」、89年、大阪府立現代美術センター蔵。「街道をゆく」の挿絵原画。白黒で印刷されると知りながら彩色し、一つの絵画として描いた。

 遊女之図、88年、愛知県美術館蔵(木村定三コレクション)

 天真爛漫(てんしんらんまん)な人柄で知られた須田は、絵画制作の上でも、子どものような純真さと好奇心を生涯追究した。官展では、30代で具象画家としての地位を確立していたが、やがて、その保守的な雰囲気への違和感がふくらんでゆく。40代を迎えると、写実的な表現から急速に離れ、抽象表現に傾倒していった。

 具象画を再開したのは60代半ばころ。司馬遼太郎の「街道をゆく」の挿絵を担当したことがきっかけだった。

 舞妓(まいこ)のモデルは、後年、須田が度々描いたモチーフの一つだ。男の子のような荒々しい表情のデッサンを見て、モデルの舞妓が不機嫌になったというエピソードが残る。色紙や菓子の包み紙をコラージュするなど、晩年になるにつれ、その表現はより自由奔放になっていった。



(2007年5月30日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

 

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