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2007.7.4(水)更新  美・博ピックアップ
美・博ピックアップ
古きに宿る美への扉


世田谷美術館
「青山二郎の眼」展
 「美とは、それを観(み)た者の発見である」。天性の審美眼で古陶磁の美しさを見いだし、鑑賞美術としての「骨董(こっとう)」の世界を確立した青山二郎(1901〜79年)。周囲からは「高等遊民」と呼ばれ、生涯職業を持たずに美を探究する道をひたすら歩き続けた。希代の目利きが選び抜いた美の世界を、中国、朝鮮、日本の古陶磁やゆかりの人々の旧蔵品など約200点で紹介する。(8月19日まで)。

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 「続々文芸評論」小林秀雄著(34年、個人蔵)。友人の本の装丁は、青山の唯一の「仕事」だった。

 紅志野香炉(桃山時代、個人蔵)。交流のあった宇野千代、白洲正子の旧蔵品。

■白釉黒花梅瓶 銘「自働電話函」 磁州窯(宋時代、個人蔵)

 10代から中国古陶磁に傾倒した青山は、26歳で著名なコレクションの図録作成を手がけ、鑑賞眼を磨き上げた。一方で李朝白磁にひかれて民芸運動に参加。唐津や志野など日本のやきものを、愛情を込めて「田舎芸術」と呼んだ。その「目」を信頼し、周りには小林秀雄、白洲正子ら多くの文化人が集った。

 そばちょこや酒器などの生活雑器を好んで集めた青山が、心底ほれこんだ数少ない中国陶磁の名品の一つが、41年に日本橋の古美術店で出会ったこの優美な梅瓶(メイピン)だった。奇妙な銘は、「これが手に入ったら一生電話ボックスの中で暮らしてもいい」との思いでつけた。高価なため自分では買えず、作家の横光利一に購入を勧め、その手元に生涯置かれた。



(2007年7月4日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

 

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