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2007.10.24(水)更新  美・博ピックアップ
美・博ピックアップ
古典回帰で極めた絵肌


府中市美術館
キスリング展――モンパルナスの華
 20世紀初めのパリに集った「エコール・ド・パリ」の画家の1人で、「モンパルナスの王」と呼ばれたポーランド出身のモイーズ・キスリング(1891〜1953)。セザンヌの影響が色濃い静物画やキュビスム風の作品など、様式の模索を重ねた末に、写実的な中に非現実的な妖(あや)しさの漂う独自の表現を確立した。初期から絶筆までの油彩画など60点で、画風の変遷と作品世界の魅力を紹介する。(11月18日まで)

 「魚(ブイヤベース)」(1931年)。
 一見無秩序に見える魚は、色の対比や配置が綿密に計算されている。

■「女優アルレッティの裸像」(1933年)

 つややかで、この世ならぬ美しさをたたえた白い肌。裸婦の目は憂いを帯び、同時に華やかさと官能性も際立つ。17世紀のオランダ絵画に出会ったことで古典に回帰し、「描くこと」を職人的に追求して到達したのが、独特の濃密な絵肌の表現だった。

 理想とする質感に仕上げるため、目の細かい薄手のキャンバスを使い、下地にも工夫をこらした。古典絵画の影響を感じさせる光の表現が肌に劇的な陰影を生み、背後を覆う布の繊細な刺繍(ししゅう)の描写には、技巧に対する自負もにじむ。

 写真はいずれもプティ・パレ美術館(ジュネーブ)蔵、©ADAGP, Paris&SPDA,Tokyo,2007。

(2007年10月24日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

 

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