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2007.12.5(水)更新  美・博ピックアップ
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美・博ピックアップ
作家が描く痛みの形


佐倉市立美術館
「さびしさと向きあって」
 一見メルヘンチックな絵に漂う、異様な透明感。成瀬麻紀子さんが描く世界の背景には、18歳から現在まで13年間にわたる統合失調症との闘いがある。ほかに、石田徹也、菊池伶司、田畑あきら子、正木隆の、いずれも20〜30代の若さで命を失った4作家を紹介。人間関係の苦悩や病気のつらさなど、作品に込められた心の痛みが、ひしひしと伝わってくる。(12月24日まで)

 成瀬麻紀子「空への階段」(02年)。
療養している長野県の安曇野の空から発想した作品が多い。
■正木隆「from DRIVING to DIVING 03―1」(03年)

 「すぐ電気をつけてほしい」。この絵を見た中学生の感想だ。紺色を重ね、限りなく黒に近くしたカンバスの隅にぽつりと描かれたベッドは見る者の不安を誘う。

 父親に「死の形而上(けいじじょう)学をつきつめていきたい」と話していた。しかし04年2月、アトリエで最愛の女性が自殺してしまう。本物の死を前に筆がとれなくなった正木は、同年11月、後を追うように自らも命を絶った。制作時から配置を計算した作品を残し、これから空間作品にも発展しそうな矢先だった。

(2007年12月5日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

 

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