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2008.10.15(水)更新  美・博ピックアップ
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美・博ピックアップ
鋭い眼力で美術品収集


三井記念美術館
「茶人のまなざし 森川如春庵の世界」
 「あなたは古美術をお金で買うが、私は目で買う」――。三井物産の初代社長にして古美術収集家、「鈍翁(どんのう)」益田孝に暴言を吐いた青年がいた。尾張の茶人、「如春庵(にょしゅんあん)」森川勘一郎(1887〜1980)。10代ですでに本阿弥光悦作の楽茶碗(ちゃわん)2器を所持していたこの青年を鈍翁はいたく気に入り、39歳という年の差ながら2人の交遊は生涯続いた。如春庵の死後、長らく秘蔵されていたコレクションとともに、世代を超えた2人の友情を物語るゆかりの品々を公開する。(11月30日まで)



益田鈍翁「竹茶杓(ちゃしゃく) 銘『年の暮』」
(1938年、個人蔵)。病床にあった鈍翁が、如春庵のために制作。贈ってから1週間後に亡くなり、遺作となった
本阿弥光悦作「黒楽茶碗 銘『時雨』」(江戸時代、17世紀、名古屋市博物館蔵)

 黒一色ゆえの緊張と気迫に満ちた、玄人好みの器である。16歳の少年が一目見て欲しがるものだろうか。

 師匠に招かれた茶会でこの茶碗に出会った如春庵は、帰って早々にねだったのか、半年後に祖父に買い与えられる。3年後の19歳の時には、大阪の豪商・平瀬家からこれまた光悦作の赤楽茶碗をほとんど「奪った」という逸話も残る。単なる数寄者というにはあまりある執着ぶりがうかがえる。

 (2008年10月15日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

 

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