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2010.9.1(水)更新  美・博ピックアップ

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言葉からの自由求めて


川崎市市民ミュージアム
「まど・みちお え てん」
 童謡「ぞうさん」などで知られる詩人のまど・みちおさん(100)は、51〜55歳の限られた時期に、抽象画120点余りを制作していた。児童誌の編集者を辞め、詩や童謡の創作に専念し始めた頃だ。絵は発表されず、1980年代、評伝などの取材で存在が明かされた。「(言葉から)解放されて自由になれる」のが抽象画だと自叙伝につづるまどさん。関連資料を含めた約320点で、画家としての一面と、今なお、病気療養の合間に描き続ける絵への思いに迫る。(佐藤鼓子)


いずれも周南市美術博物館蔵
「ぞう(さん)」(77年、水彩・ボールペン・ひっかき・紙、17.8×25.5センチ) 動物の詩に合わせたシリーズで、まどさんの作品では数少ない具象画。

■「くるみ」(1961年、クレヨン・水彩・ペン・紙、27×37.8センチ)

 自然の産物であるクルミには一見そぐわない、無数の直線と幾何学的な形。台湾・台北市の工業学校で学んだ設計や製図の技術がうかがわれる。イメージあふれるままに描き続け、偶然現れた形に題名をつける、シュールレアリスムのオートマティズム(自動記述法)なども用いたといわれる。

 クレヨンやボールペンなどで、紙が破れるまで描き込むこともしばしば。気づくと朝、というほど絵画制作に没頭した約4年間が、新境地を開くきっかけになったのか。その後、59歳で初詩集「てんぷらぴりぴり」を出版し、詩人としての地位を確立していった。

 (2010年9月1日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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