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2006.10.12(木)更新  アートごころな逸品
東京芸術大学大学美術館
携帯ストラップ
輝き放つ先駆者の迫力

携帯ストラップ
 一匹の鮭(さけ)が半身をそがれ、荒縄でつるされている。あらわになった朱色の身が生々しい、大胆なタッチ。

 絵のタイトルは「鮭」。作者・高橋由一は、幕末から明治にかけて、一貫して写実性を追求し、日本で初めて油絵と本格的に格闘した画家だ。油絵の具を自作し、代用品のパレットやキャンバスを使って、独学で新しい世界を切り開いた。

 明治22(1889)年、東京芸大の前身・東京美術学校が、当時の復古的な風潮の中で西洋画を排除して発足した時、由一はそれを批判し、洋画教育の必要性を繰り返し訴えた。願いがかなって西洋画科が設けられたのは明治29年。由一が亡くなって2年がたっていた。「鮭」は翌年、美術学校の購入するところとなる。

 いま、由一の代表作は、約2万8千件を収蔵するこの美術館のなかでも、指折りの知名度を持つ。西洋画の普及を願った彼の思いが伝わるのか、作品をかたどった携帯ストラップ(写真、3種、735円)は、お土産として一番の人気だという。

 開館時間は午前10時〜午後5時(入館は30分前まで)、東京都台東区上野公園(上野駅、TEL050・5525・2200)。常設展示はなく、年2回のコレクション展のほか様々な企画展を開催。
 【企画展】「NHK日曜美術館30年展」は15日(日)まで。「鮭」を含む48作家の名品を展示。



 
(2006年10月12日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
 
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