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2008.12.24(水)更新  習って美学

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陶芸――九谷焼絵付け
五彩の掛け合わせ 細部まで
写真
見本を使って指導する若菜さん
 灰色を帯びた白の素地に鮮やかな色絵が印象的な「九谷焼」。細かい古典柄やあでやかな草花の絵付けは見るほどに美しいが、作業はいかにも難しそう。「筆さばきに慣れることが上達への早道です」と講師の若菜素子さん(46)。筆の毛の流れや動きを利用すれば、ある程度まで思うような絵付けができるという。

 黒い輪郭線を描く「骨描(こつが)き」は呉須(ごす)と呼ばれる顔料、着彩には赤・黄・青(緑)・紺青・紫の5色のみをそれぞれ使用。さらっと伸びが良い呉須に対し、着彩用の絵の具は筆にまとわりつくほど重い。絵心も大切だが、まずは素材に慣れる必要があるようだ。

 水墨画もたしなむ陶芸歴の長い男性は、大皿を制作中。持参したカワセミの写真を見ながら念入りに構図を考えた後、絵筆を進め始めた。筆の勢いを巧みに利用しながら、カワセミの羽や立ち姿の特徴をとらえた絵皿をみるみる間に生みだした。

 女性受講者は小皿の表に大柄の模様を1時間ほどかけて描き、裏に印象の違う細かな模様を描いていた。表から連続するような柄もよし、表裏をがらりと変えて二つの印象をひと皿に与えるもよし。「色が豊富な今だからこそ、五彩の掛け合わせや模様次第でいかにモダンになるかが楽しい」と若菜さん。細部にまで装飾の心を注ぐ陶工たちの苦労が、日本の豊かな食文化を支えているような気がした。

◇         ◇

 問い合わせは、東京都目黒区上目黒2の25の13の千秋工房(TEL03・5722・4417)。

(2008年12月24日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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