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2007.4.4(水)更新  アートな仕事人

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洋画修復
 
調べてたどる画家の心
森直義さん
 森さんが手がけた「私は夢を見ていた」他は、森美術館「ル・コルビュジエ展」で展示予定(5月26日(土)〜)
 コルビュジエ、ルオー……。著名画家の作品が、額装の無い状態で置かれている。神奈川県にある森絵画保存修復工房・森直義さん(50)のアトリエだ。絵画を傷めないよう、室内の温度や湿度は一定に保たれている。

 大学院で美術史を学び、自らも絵を描いていた森さんは、「作品」にかかわる仕事がしたいと洋画修復家の道を選んだ。フランドル絵画が好きでベルギーにわたり、美術専門学校で修復を学んで経験を積んだ。8年後に帰国すると独立し、知人のつてで仕事を続けるうちに、美術館や企業などからも依頼を受けるようになった。モネやピカソ、藤田嗣治など、手がけた作品は数多い。

 「絵を描く技術よりも、分析する能力を問われる仕事なんです」。作業よりも「調査」に労力を費やすという。

 画家は、どんな効果を出すために何で描いたか。後にどう修復されたか。特殊なカメラや顕微鏡などを駆使して1枚の絵が歩んできた歴史を探る。また、どこまで直すのか。どのように保管・展示されるのか? 依頼者との打ち合わせも重ねる。  表面に付いた汚れやニスの除去、剥離(はくり)した絵の具の定着、裏打ちなど、施す作業は絵によって異なるが、どれも「作品の良い状態を長く維持させること」が前提。当然使用する素材にもこだわる。今回使った裏打ち用の布も、自ら開拓した輸入ルートで手に入れたものだ。

 1枚の絵を調べるうちに、画家の意外な一面を見ることがあるという。「じつはきちょうめんな性格だったとか、本来違う構図で描く予定だったとか。今は亡き画家の心にも歩み寄れるような気がします」

(2007年4月4日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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