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2007.4.11(水)更新  アートな仕事人

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美術館学芸員
 
「世界にひとつ」と共に
渡辺晋輔さん
 国立西洋美術館の所蔵品は約4400点、現在「イタリア・ルネサンスの版画」開催中(5月6日(日)まで)
 東京・上野の国立西洋美術館。開催中の「イタリア・ルネサンスの版画」担当学芸員が渡辺晋輔さん(34)だ。

 大学院でイタリア美術史を専攻したが、国内で知識を生かせる働き口は少ない。再度のイタリア留学を準備しているときに現職の欠員を知り、迷わず就職したという。美術館によって様々だが、ここの学芸員は教育普及、作品の保存修復、書籍や情報の管理、そして渡辺さんのような担当国別の専門美術分野と大きく四つに分かれて仕事を担っている。

 渡辺さんの仕事のひとつが、所蔵品の管理や購入・研究だ。作品と一緒に貨物用飛行機で輸送に付きそうこともある。「世界にひとつだけ」のものばかりを扱う仕事なので、几帳(きちょう)面さは不可欠、体力も大事だ。

 作品にまつわる歴史や制作方法、展覧会への出品記録、作家自身の背景なども把握しておかなければならない。所蔵品に限らず、海外の美術館や収集家の所蔵品を目にする機会も多い。西洋美術の本場では「作品価値などわかるまい」と馬鹿にされた経験もあるという。しかし美術の「プロ」たちと密なつながりを築いていけば、そこから新しい展覧会の企画が生まれたり、貴重な作品の借用がかなったりしていく。

 展覧会には2、3年がかりで取り組む。世界へ向けて美術館の実績を発信する図録作りと共に、会場構成も工夫を凝らす。直前まで展示効果を考え抜いて、作品を入れ替えることもある。「実際に作品を見ることで何か新しい自分の一面を発見してもらえたらうれしいです。僕自身もそうだったように」。

(2007年4月11日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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