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2007.6.6(水)更新  アートな仕事人

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額縁設計
 
目指すは作品思いの「脇役」
額縁設計
完成した額縁に、マレービッチの「乾草作り」をセットする泉沢さん。7月1日まで千葉の川村記念美術館で展示中。
 「人にとっての洋服のようなもので、作品よりも目立ってはだめだし、なおかつ引き立てるものでなくてはいけません」

 額縁の役割について、トップアート鎌倉の泉沢茂男さん(62)はそう語る。

 画材店に勤めていた泉沢さんが洋画や写真の額縁の設計を始めたのは30年ほど前。絵にふさわしいデザインを職人が判断することは難しく、似たような型が繰り返し使われている状況だった。ある美術館からの依頼をきっかけに、額縁の「コーディネート」という、先達のいない分野に飛び込む。多くの展覧会に足を運び、絵の時代背景を調べ、欧米の額縁の作り方を研究するなどして、一からノウハウを作り上げていった。

 「壁や空間のイメージは」「隣にはどんな絵が飾られるのか」。デザインを決める要素は作品だけではない。美術館側の好みや、作家からの注文もある。「私は意見をまとめて職人に伝えるパイプ役ですよ」と笑うが、一度依頼した人が繰り返し泉沢さんを指名することからも、その仕事ぶりと人柄への信頼がうかがえる。

 最も重視するのは見た目よりも「構造」だ。例えば絵の裏面には、履歴が記されたラベルなど様々な情報があるのに、紙や板で覆ってしまう額縁も多い。次代で作品を手にする人のことを考え、泉沢さんは額縁の裏をポリカーボネートの透明な板で閉じる。四隅にフェルトを入れるなど、絵に負担のかからない固定方法も日々研究している。

 「一度作った額縁は作品とともに生き続けますからね」。作品への深い愛情が、妥協のない最良の「パートナー」づくりを支えている。

(2007年6月6日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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