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2007.7.4(水)更新  アートな仕事人

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ボランティアスタッフ
 
来館者と共に見て、感じて
照明演出
 作品について話す松原さん(中央)。トーカーは展覧会期間中、週末に交代でギャラリートークを行っている。
 「この作品は何をイメージしているんでしょうね」。週末の水戸芸術館現代美術ギャラリーで、ほとばしるような黒く太い線で覆われた絵を前に来館者と和やかに話す松原容子さん(49)は、ボランティアスタッフ「CACギャラリートーカー(以下トーカー)」だ。

 展覧会の入り口で募った参加者と一緒に少人数で会場を回る。作品について予習はするが、学芸員のような美術の専門家でも、解説者でもない。鑑賞者と同じ目線で感想や疑問点も自由に語り合う。多様な現代美術をともに楽しむための案内人だ。

 主婦業のかたわら画家としても活動していた松原さんは、「未知の現代美術へのあこがれ」から応募した。選考を通過し、研修期間を経て活動を始めてから10年以上になる。現在活動するトーカーは28人。下は20代から上は70代まで、職業も会社員や主婦、教師など様々だ。ボランティアならではの幅広い社会人経験とコミュニケーション能力に、施設側も信頼を寄せる。

 意外にも松原さんは「話すのが苦手」。むしろ聞き役になることを大切にしているという。

 何かを言いたそうな高校生に水を向けると、せきを切ったように話しだす。美術に詳しい人から逆に教えられることもある。毎回の新しい出会いには緊張もするが、言葉を交わす中で相手との距離が縮まったと感じる瞬間がうれしい。

 「作品を必ずしもいいと思う必要はないんです。感じたことを言葉にしたり、人の話を聞いたりすることで、作品から新たなメッセージを受け取れる瞬間がある。そこに立ち会いたくて私は続けています」

(2007年7月4日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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