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2007.7.18(水)更新  アートな仕事人

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美術品鑑定
 
真贋見抜く「目利き」の技
美術品鑑定
 東京・日本橋の春風洞画廊で作品をチェックする横井さん。
 「うちに伝わる『お宝』はいくらするんだろう」。鑑定と聞くと、価格評価が頭に浮かぶ。

 しかし、東京美術倶楽部鑑定委員会の日本画鑑定委員を務める美術商の横井彬さん(62)は、「鑑定するのは真贋(しんがん)のみで、作品の良し悪しや価格については判断しないんです」と話す。日本には美術品の鑑定士という公的な資格はないのだという。

 三代続く家業の画廊を手伝い、学生の頃から数多くの美術品を見てきた。その経験が評価され、委員に推されたのが23年前。当時39歳という最年少の委員だった。

 鑑定の対象作家は日本画29人、洋画62人に限られている。各十数人の委員が毎月鑑定作業を行う。全員一致の結論が出ない限り、最終判断は下さない。判断が難しい場合は、議論に半年以上を費やす。画家の弟子や親族から作品の成り立ちについて聞き、手紙などの文献資料にもあたる。入手経路の確認や時代検証を入念に行う。

 画風や箱書き、表具の仕立てなどから直観的な洞察で判断するのが基本だが、客観的な判断基準も大切にする。制作年代によって落款の縁が欠けていたり、その時代にはなかったはずの顔料が使われていたりするので、時には科学鑑定も用いる。一回の委員会で鑑定するのは、平均70〜80件。そのうちの2〜3割が贋作(がんさく)だ。最近は鑑定証書の偽物まで出回っているという。

 自分1人だけ他の委員と意見が異なり、調べに調べて最終的に評価を覆した時は、「ビールで乾杯したくなる」という。「でもそういう経験は、委員全員にあるんです」。謙虚であること。それが鑑定に必要な心構えだと付け加えた。

(2007年7月18日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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