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2007.7.25(水)更新  アートな仕事人

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教育普及担当
 
楽しさ伝える案内人
美術品鑑定
 対話形式で作品を紹介する郷さん。こどもギャラリークルーズ「夏休みのハプニング」は8月25日、26日に開催。
 「フラミンゴかな」「そう言われてみれば……」

 絞ったぞうきんを無造作に置いたような彫刻を前に小学生たちが顔を突き合わせる。東京都江東区の都現代美術館の収蔵庫で、子どもたちは懸命に想像力を働かせていた。

 「タイトルは『スワンの午睡』です」。教育普及担当の郷泰典さん(38)が明かした。「ほんとだ。白鳥に見えてきたかも」。再びざわめきが広がった。

 現代美術を教育に生かす「ギャラリークルーズ」は、探検さながらに館内を巡る鑑賞ツアーだ。通常は入れない収蔵庫で、作品が大切に保管されているのを見た子どもらは目を丸くした。2人のメンバーと企画を担当する郷さんは、「こんな風に喜んでくれる姿を見るのが何よりのやりがいです」と笑う。

 幼い頃から絵を見るのが好きだった。大学卒業後は画廊勤めや美術雑誌の編集に携わり、絵画修復家や学芸員らを招いた講習会の企画へと活動の幅を広げた。やがて、講師が一方的に話す状況に物足りなさが募り始め、鑑賞者が作品をどう見ているのかが知りたくてワークショップを手がけるようになった。

 アートの普及が狙いだが、逆に教えられることも多い。作品に刻まれたしわを見つけた子が「これは努力の跡だね」と言ったことがあった。豊かな発想は大人が鑑賞する助けにもなる。

 アートを楽しみ、学校のルールとは違うものの見方や表現があることを知ってほしい。「また美術館に行ってみようかなと思ってくれれば」と願って、試行錯誤を重ねている。

 子どもたちは「また来るね」と手を振って帰っていった。

(2007年7月25日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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