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2007.10.10(水)更新  アートな仕事人

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印刷物デザイン
 
紙から伝える美術の魅力
秋山さん
 色の具合を何度も確認する。「鈴木理策 熊野、雪、桜」は東京都写真美術館で開催中(10月21日(日)まで)。
 「展覧会の企画意図を視覚化するのが私の仕事です」

 開催を伝えるポスターやチラシに始まり、図録やチケットに至るまで、美術展に関する紙媒体全般のデザインを担当するシュトゥッコ代表の秋山伸さん(44)はそう語る。

 十代の頃からレコードジャケットや雑誌を見てグラフィックデザインに興味があった。東京芸大大学院在学中、友人からイベントのポスターやチラシのデザインを頼まれたのがきっかけでデザイナーとして独立した。

 原稿や写真を受け取ってから完成まで、余裕があるときでも2カ月程度。主催者や作家の意見を尊重しながらデザインを練る。決定すると今度は印刷所とのやり取りがはじまる。正確な色合いを出すために何度も校正紙を確認する。「作品の再現性」が重要な要素だ。あらかじめ実物を見ることができない場合は、資料の写真やデータだけを頼りに制作しなければならない。実際の展示会場で完成した図録と見比べながら、胸をなで下ろすこともあるという。

 作家の作品イメージを土台にしてアイデアを出し、限られた紙面の中で展覧会の内容を効果的に伝えなければならない。秋山さんは極力シンプルにデザインすることを心がけている。東京・恵比寿の都写真美術館で開催中の「鈴木理策 熊野、雪、桜」では、文字の色や書体、配置などで静謐(せいひつ)な雰囲気を演出した。最近は高齢化を意識し、文字を大きくしても繊細さを失わないよう工夫している。

 「とくに図録は、単なる記録ではなく、展示とは別の表現形態なんです」と秋山さん。会場とは違った角度で楽しむことができる「もう一つの展覧会」を作り続けている。

(2007年10月10日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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