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2007.10.17(水)更新  アートな仕事人

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ガラスケース制作
 
「見せる」「守る」に創意工夫
細見さん
 工場で試作品と図面を照らし合わせる細見さん(右)。
 「一見普通のガラスですが、実はいろんな工夫が施されているんです」。東京・小菅にある細見工業では、代表の細見大作さん(36)をはじめ約20人が、美術館・博物館の展示物を納めるガラスケースを制作する。

 どこで何を展示し、どんな人が見に来るか。誰が使うのか。毎回様々な要望に合わせて作る物は異なる。「10メートルの巻物を広げて見せたい」という注文には、顔を近づけて作品の細部まで見ることが可能なのぞき型ケースを何台もつなげた連結式の製品を作った。光の反射で展示物が見づらくないように反射率の低いガラスを使う。温度・湿度の変化に弱い紙や布の展示では、ケース内の空気をできるだけ良い状態に保つことに気を使う。展示替えがしやすいように扉をスライド式にしたり、子ども向けの展示で目線を低めに設定したりすることもある。防犯や免震対策も重要な課題だ。

 デザイナーから無理な注文を受け、意見がぶつかることもある。「良い物を作るために綿密な相談は欠かせません」。一貫して守っているのは、工場内で必ず仮組みを完成させること。ミスが見つかった場合は搬入前に解決させる。現場にトラブルを持ち込まないためだ。

 子どものころ、遠足で訪れた博物館で、先代の父が作ったガラスケースは自慢の種だった。跡を継いでからは、江戸東京博物館、国立科学博物館など日本各地の文化施設に製品を納めてきた。自分たちの仕事が20年、30年先まで残ること、時には国宝・重文の保護に役立っていることにやりがいを感じる。自分が作ったケースがある展覧会場に足を運び、来館者のアンケートで「施設に満足」の回答が多いときは、喜びもひとしおだ。

(2007年10月17日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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