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2007.10.24(水)更新  アートな仕事人

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建築模型
 
小さな世界に注ぐ造形美
田沼さん
 田沼さん親子が制作した旧川崎銀行千葉支店の模型を千葉市中央区役所で展示中。
 図面だけでは読み取りきれない建物のイメージを、よりわかりやすく伝えてくれる建築模型。タヌマビジュアルワークスの田沼浩二さん(39)は、大手ゼネコンや有名建築家の模型を中心に、展覧会用模型も手がけている。

 多種多様な模型素材の中で、田沼さんが最も得意とするのは「木」だ。素材が肝心で、木を仕入れた後、収縮や膨張を防ぐために15年以上自然乾燥させてから使う。幅数ミリの瓦やタイル、1ミリほどの細い構造体も、大小のノミやかんなで図面通りの寸法に削り出す。切り込みをつけて、家具のように木組みで固定していく。何千にも及ぶ一連の工程を、すべて1人で進める。

 どんな模型でも精度を保つのは当たり前。大切なのは、建築のイメージを的確に把握することだという。「鋭角な感じ」「新しい構造」といった特徴を細かく聞き出し、素材も含めてどのような表現がふさわしいかを検討する。展覧会用模型は、設計者がすでに亡くなっている場合が多い。詳細な図面が乏しい場合は、様々な資料に目を通し、設計者の人となりや時代背景を探ってから制作にとりかかる。

 もともと、何かを作ったり、表現したりすることが好きだった。模型職人として活躍していた父の仕事を、中学生の頃から手伝い始め、高校時代にはすでにプロとして活動していた。

 模型に決まった作り方はない。建築家が考える新しい発想に触れるたび、新たな手段を考え、最善の表現を試みてきた。

 建築に宿る造形美を伝えたい−−。そんな熱意が、「建築が生まれる場」「建築を伝える場」を支えている。

(2007年10月24日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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