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2007.12.5(水)更新  匠の巧

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組紐
 
1本に込める手の味わい
隆さん
 丸台で紐を組む隆さん
 さくら、きはだ、うぐいす……。日本の伝統色が淡い光沢を放つ絹糸と溶け合い、独特の存在感を放つ。着物の羽織紐(ひも)や帯締めとして使われる「組紐(くみひも)」。「和の装いの締めくくり役です」と話すのは、東京・日本橋で組紐の制作から卸までを手がける「龍工房」の2代目・福田隆さん(46)だ。

 制作は「デザイン」「糸繰り」「糸の染色」「組み上げ」という順に進み、それぞれ専門の職人が分担する。糸を組む時は、今も昔ながらの作業台を使う。糸を交わしては整え交わしては整え、丹精な積み重ねが美しい組目を紡ぎ出す。絶妙な力加減で組まれた紐のふっくらとした仕上がりが伸縮性を生み、帯をしっかりと留める。

 芸術品のようだが初代・万之助さん(79)は「使ってこそ生きる」と説き続ける。その「用の美」の思いを継承しつつ、隆さんがデザインを担当。帯揚げとの色合わせなど、帯まわりの総合的な表現にも力を注ぐ。

 四季折々の自然や行事に合わせて「色を遊ぶ」日本特有の精神を、隆さんは「野の花を摘むような心構えで」と話す。小さなところにそっと粋な心を添える−−。そんな思いを組紐を通して伝えている。

    ◇

 同工房の作品は1万〜3万円が中心。呉服専門店、三越、伊勢丹など大手百貨店で販売。

(2007年12月5日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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