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2007.12.19(水)更新  匠の巧

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仏像彫刻
 
拝む人の心を映す表情
渡辺さん
 約1年かけて1体を仕上げる。
 すべてを静かに見通すようなまなざしと、木が醸し出す安らかな雰囲気。日本では古来、木彫の仏像が信仰を集めてきた。

 「仏像の表情は拝む人の心を映します。優しい気持ちで見ればほほえみ、悲しければ泣いているように見えるんです」

 渡辺宗雲さん(50)は語る。大学で現代彫刻を学び、高村光雲の弟子筋の仏師に師事した。

 高さと顔や体の幅などの比率は、平安時代の仏師・定朝が定めた様式に従う。千年近く伝わるこの日本独自の比率が、均整のとれた姿を形作る。

 設計図を基に、大きな作品の場合はまず粘土と石膏(せっこう)で小さなひな型を作る。樹齢数百年のヒノキなどを用い、小型のものは一木(いちぼく)で、寺院に納める高さ数メートルのものは寄せ木で作る。約200種類の彫刻刀を駆使し、波打つような衣の曲線を整える。仕上げに表面に細かく均一な刀痕を入れて柔らかさを表現する。

 最後に瞳を入れ、しばらくは布をかぶせて見ない。時間をおいて表情を吟味するためだ。

 「自分の個性を出そうとするとよい仏像になりません。穏やかな気持ちで木に向き合い、荘厳で品のある顔に仕上げたいと思っています」

   ◇

 渡辺さんの作品は注文制作。詳細は東京都足立区西綾瀬3の8の3、渡邉宗雲仏像彫刻工房(TEL03・3849・2635)へ。

(2007年12月19日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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