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2007.12.26(水)更新  匠の巧

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洋家具
 
繊細な形生む経験と技
磯部さん
 表面材の端を丁寧に切り落とす。
 自分に合った服を選ぶように、家や好みに合う意匠の家具を選ぶ。磯部弘さん(76)は約60年間、そんなオーダーメードの洋家具を作り続けてきた。

 日本で洋家具の生産が始まったのは明治期。指し物などで培われた技が土台となった。磯部さんは「家具の大学」と呼ばれた東京・新橋の工場に二十歳で弟子入りし、腕を磨いた。

 「木取り」という職人が切り出した板を、手の感触を頼りにかんなでまっすぐ削る。くぎは使わず、ほぞを差し合わせて組む。机の脚は内部に空洞を作り湿気や乾燥でゆがんだりひび割れたりしないよう仕上げる。

 精巧な仕事を信頼して設計図を持ち込むデザイナーは多い。10年前には倉俣史朗さんデザインの「引き出し」を手がけた。すべて大きさの異なる49の引き出しが1ミリの間隔をあけて並ぶその作品は、ニューヨーク近代美術館に収蔵されている。

 見えない所にも表面材を張る丁寧な仕事は、既製品が安く大量に出回る時代になっても変わらない。「だって格好悪いものは作れないでしょ」。何げない言葉にひそかな意地がのぞいた。

    ◇

 近作「さざなみ」(写真下、イシカワデザイン事務所デザイン)は約36万円から。磯部さんの家具は東京都港区新橋5の6の8、工藤木工所(TEL03・3431・7739)で注文できる。

(2007年12月26日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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