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2008.1.23(水)更新  匠の巧

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江戸切子
 
併せ持つ「繊細と大胆」
黒川さん
 深く鮮やかで正確なカットが華やかさを生む。
 色ガラスに幾重にも施された精巧な彫り。光にかざすと多彩な表情と輝きを放つ。江戸末期に生まれたカットガラスの伝統工芸・江戸切子(きりこ)は、豊かな感性を持つ庶民の暮らしの中で育まれてきた。

 回転する円盤状の刃や砥石(といし)を使い、器にさまざまな文様を切り出す。その意匠と技法には、繊細さと大胆さが同居する。江戸時代は「透き」と呼ぶ透明のガラス、いまは表面に青や赤の色ガラスをかぶせた「色被(き)せ」が主流だ。伝統文様の基本はクモの巣や魚のうろこ、菊など十数種。深く鮮やかなカットが特徴で、技法の変化を伴いながらいまも進化を続けている。

 東京都江東区在住の黒川昭男さん(67)は、この道50年余の第一人者。幾何学的な模様と流れるような曲線を巧みに組み合わせる。曲線混じりの斬新な図柄は、伝統的な文様だけでは飽きたらず、自ら編み出した。

 「飾りではなく実用品として使ってほしい」「欠けても削り直して使える。また新たに生まれ変わるんだ」。技が際立つ輝きの文化。伝統技だが常に新しい。愛(いと)おしそうに器を見つめる名工から、存分に江戸の粋が伝わってくる。

    ◇

 黒川さんの作品は、ぐい呑(の)み2万円代から。東京都港区南麻布5の15の13、ギャラリーぬかが(TEL03・3447・7471)で。

江戸切子

(2008年1月23日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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