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2008.2.27(水)更新  匠の巧

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浮世絵
 
技の結束が生む美の世界
久保田さん
 ばれんは久保田さんが手作りしている
 江戸時代の庶民に愛された「浮世絵」。葛飾北斎や歌川広重といった花形作家が現れ、次々と名作を世に送り出した。その文化と技術を継承するため、アダチ版画研究所では専門の職人を抱えて名作の復刻や現代の作家と共同制作を行っている。

 「わずかな違いを見抜くか、見過ごすかが作品の出来を決めます」と話すのは、摺(すり)師の久保田憲一さん(60)。その日の気温や湿度によって、紙や顔料の状態は毎日違う。乾燥している日は、紙の縮みを防ぐために水気を多く含ませるなど、小さな変化に耳を澄ませ、長年の作業で培った勘と技で対応する。

 一枚の作品に、10近くの版を重ねる。ばれんの動きや力のかけ具合などで仕上がりは変わる。例えば「空」の部分に使う藍(あい)色。しっかりと「きめ込む(刷り込む)」ことで、浮世絵特有の深く、抜けるような「青」として紙に表れる。

 効率を重視する浮世絵は、「絵師」「彫師」「摺師」と分業で制作されてきた。どの職人にも通底するのは「徹底的に」という思いだ。確かな技と細心さの積み重ねが、華やかな一枚を支えている。

      ◇

 北斎などの復刻作品は、1万3000円から。東京都新宿区下落合3丁目の同社目白ショールーム(TEL03・3951・2681)で展示、販売中。

浮世絵

(2008年2月27日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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