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2008.4.9(水)更新  匠の巧

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手描き鯉のぼり
 
子供の成長願う勇壮な姿
橋本さん
 華やかな金色の線で仕上げていく
 風を受け、元気に大空を泳ぐ鯉(こい)のぼり。中国の登竜門伝説が由来とされ、江戸の頃から男の子の健康と立身出世を願って端午の節句に飾られてきた。

 「鯉に恋して」と語るのは、埼玉県加須市の手描き鯉のぼり3代目店主、橋本隆さん(67)。十数色で彩色を施した豪華絢爛(けんらん)なデザインの「武州」や、心の師匠と仰ぐ広重の浮世絵をヒントにして生まれた優雅な「巨匠」など、色鮮やかで独創性に富んだ14種が店内に並ぶ。

 「空に消えるような鯉じゃあ意味がない。力強くて躍動感がなくっちゃ」

 鱗(うろこ)などの筋は下描きなしで一気に描く。日光にさらしても色あせない顔料を使い、筆とはけで塗っては乾かす作業を繰り返す。最初は薄い色を、順に濃い色を塗り重ねることで立体感が生まれ、真鯉(まごい)の黒、緋鯉(ひごい)の赤が引き立つ。はけの片面に水、もう片面に顔料をつけ、にじんだ色を出す「ぼかし」は、単色で塗りつぶす倍の時間がかかる。毛に含んだ顔料が少なくなり、かすれて出る「こけだし」は、手描きならではの味が伝わる。

 「鯉は家族の幸せを願うお守りのようなものです」。そんな思いを込めて筆を走らせる。

     ◇

 作品は約4万円台から、埼玉県加須市土手1の12の12、橋本弥喜智商店(TEL0480・61・0371)で、毎年数量限定販売。

鯉のぼり/作品

(2008年4月9日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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