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2008.5.7(水)更新  匠の巧

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紋章上絵
 
直径2センチに描く個性
堀さん
 少しの狂いも出ないよう、定規をあてて描く
 葵(あおい)や橘(たちばな)などの「定番」から、大根や蕪(かぶ)、碇(いかり)、宝船といった「異色系」まで――。家系や名字、家業から生まれたといわれる家紋はざっと1万種。東京都品川区の「紋章上絵(うわえ)」職人、堀宏之さん(56)は、代々伝わる紋帳を見ながら、「何百年も前に、これほどセンスのいいものがあったなんて」と驚く。

 「紋付き」として第一礼装の着物に入れる家紋。最小の女性紋(直径約2センチ)は、あらかじめ白く抜いた部分に合わせ、柿渋を塗って頑丈にした和紙で型を作る。はけで墨などの染料を刷り込んで、細い筆とぶんまわし(コンパス)を使って意匠を生み出し、水蒸気で蒸して定着させれば完成だ。

 紋付きをあつらえる高級品の反物に、失敗は許されない。0・1ミリにも満たない点や線を、まったく手を震わせずに描くしなやかさ。「その感覚を手に染み込ませる、長年の苦労がなせる技です」

 着物関係の受注が減る中、小物に家紋を入れる工夫も。最近は巾着(きんちゃく)や日傘、色紙など身の回りの品が目立つ。「皮に描く技術も学び、家紋の魅力を広げたい」。堀さんの夢は膨らむ。

     ◇

 日傘や色紙などの商品代別で、紋代5千円から(TEL03・3787・8350)。品川区西品川1の28の3、区立中小企業センターで常設展示もしている。

紋章上絵/作品

(2008年5月7日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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