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2008.10.29(水)更新  匠の巧

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日本刀
 
焼き刃の緊張感 鋼の美
晶平さん
熱した鉄をたたき、刃を打ち出す「火造り」
 鞘(さや)を静かに掃(はら)うと、堂々たる日本刀が現れた。きらりと光る焼き刃から全身に緊張感が伝わってくる。かつて武士たちも刀を前に身震いしただろうか。

 埼玉県美里町の刀匠、晶平さん(40)は日本刀の代表格「城和泉守正宗(きずきいずみのかみまさむね)」の美しさにひかれ、25歳で刀鍛冶(かたなかじ)の門をたたいた。波のようにうねる刃紋や木の肌のように見える杢目(もくめ)……。豪壮で華やかな作風と言われる相州(そうしゅう)伝の作刀に魂を注ぎ込む。

 火床(ほど)から音をたてて火の粉が舞う。火の色を見て、火花の音に耳を傾ける。真っ赤に熱せられた鉄の棒を取りだし、小槌(こづち)で打ち伸ばすと、カンカンカンと甲高い音が工房に響いた。

 「鉄の中にひそむ様々な景色を見いだしたのは、私たち日本人の美意識と言えるでしょう」

 灯をあてて透かすと、刃紋や地鉄(じがね)に砂をまいたようなキラキラとした鉄の粒子が見える。素材となる玉鋼(たまはがね)を何度も火にかけ鍛錬し、強靱(きょうじん)で良質な地鉄にしなければ現れない表情だ。

 すーっと伸びる刃身は、見入る者の邪念を切り払い、心を奪うかのように光っていた。

     ◇

 短刀白鞘で84万円から。美里町沼上115の2の工房(TEL0495・76・0802)で注文制作。11月24日(月・休)〜12月6日(土)、東京都墨田区の江戸東京博物館で開かれる「お守り刀展覧会」に出品。 =おわり

日本刀

 来週から、まちの美術教室を訪ねる「習って美学(みがく)」が始まります。

(2008年10月29日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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