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2007.8.28(火)更新  味の地球儀@tokyo

 
 ギリシャ
ユワレラキア ユワレラキア
 地中海の風感じるソース
 
 
阿久津さんと曜子夫人
 ギリシャワインを楽しむ阿久津さん(左)と、ソムリエの曜子夫人=撮影・久保寺誠
 「夏だからコレかな」。港町横浜のギリシャ料理店「スパルタ」で、シェフ・阿久津泰之さん(55)におすすめを、とお願いすると、牛肉の肉団子「ユワレラキア」が出てきた。地中海のそよ風のようにさわやかなレモン色のソースが、なるほど、夏っぽい。

 ソースは、卵の黄身とレモン汁を合わせてといたものに、肉団子をゆでた鶏ガラスープを加えて作る。沸騰したスープを一気に足すと卵が固まってしまうから、少しずつ加える。

 ソースを一さじ口に運ぶ。レモンの酸味が口中に広がった。酸味といっても、刺激的なすっぱさではない。クリーム類を使っていないのに、クリーミー。卵や肉のエキスもしみ出し、マイルドに仕上がっている。さっぱりしていて、食欲をそそられる。

 ギリシャ料理には、オリーブオイルをたっぷり使う。これと相性のいいレモンも、欠かせない食材の一つだ。揚げ物にかけたり、肉の下味に使ったり、煮込み料理にも入れる。「どの家の庭にも、レモンの木が植わってますよ」と阿久津さん。一人あたりの消費量は、日本の20倍ともいわれている。

 「スパルタ」の創業は1953年。日本人女性と結婚し、横浜に住んでいたギリシャの貨物船員、イリアス・スカンゾスさんが開いた。ちょうど、朝鮮戦争の時代。街には、国連軍など外国人がたくさんいた。「新鮮な魚を食べたい」という彼らのリクエストに応え、スカンゾスさんは自宅で料理をふるまった。これが、レストラン開業のきっかけになった。

 阿久津さんは28歳から彼の下で修業を積み、6年前に3代目を継いだ。ギリシャ一筋30年。本国の料理の流行に遅れないように、年に2回はギリシャを訪れ、レストラン散策や食材探しをする。「定休日がないのは、ここで一気に休むため」と笑う。下積みは長かったが、「好きだから、苦労はなかったですよ」。陽気な性格も、本場仕込みだ。

 【スパルタ】
 横浜市中区蓬莱町2丁目(関内駅、TEL045・253・1645)。午後5時〜10時半ラストオーダー。ユワレラキア1300円。ムサカ850円から。ディナーフルコース、ワイン飲み放題の「ギリシャ会」は5000円。参加資格は、ギリシャが好きなこと。
(2007年8月28日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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