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2008.2.5(火)更新  味の地球儀@tokyo

 
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 フランス
ブイヤベース ブイヤベース
 洗練された南仏の漁師鍋
 
 
プリジャンさん
 型くずれしないように慎重に魚を扱うプリジャンさん=撮影・久保寺誠
 気さくな笑顔で自慢の食材を紹介しつつ、客との会話を楽しむピエール・プリジャンさん(60)。東京・南青山のフランス料理レストラン「シェ・ピエール」のオーナーシェフだ。

 1973年開店。フランス食品振興会によると、「日本に現在ある仏料理店のうち、最初に店を始めた仏人の一人」という。

 仏料理はホテルで食べる高級料理と認識されていた時代だった。今でこそ本国の食材も入手しやすいが、当時は難しかった。カモを中国産で代用したり、鶏をニュージーランドから取り寄せたり。苦労のかいあって、やがて文化人や芸術家も集う人気店になった。パリから帰国したファッションデザイナーの森英恵さんも、本物の味を求めて訪れたという。

 「ブイヤベース」は30年以上続く看板メニュー。魚のアラを1時間以上煮込んでうまみを凝縮させた出し汁「フュメ・ド・ポワソン」を作る。赤ピーマンや卵黄、唐辛子などで作ったソース「ルイユ」を加え、火を通した魚介類と合わせて小鍋に盛る。

 オマールエビやムール貝、カサゴなどが入ったオレンジ色のスープは目にも鮮やか。まろやかな舌触りだが、舌先でほのかに感じるピリリとした辛さに、また次のひとさじが欲しくなる。

 元々は南仏の港町マルセイユに伝わる漁師料理だ。売り物にならない魚をぶつ切りにして煮込んだ素朴なスープだったが、時代を経て貝類や高級食材も使うようになった。本国では今でも、魚を骨付きのまま調理して味わう。しかしプリジャンさんは、日本人が食べやすいように、骨を取り除いた切り身の魚を使い、手間ひまかけて丁寧に調理する。

 店内には、常連客が描いたプリジャンさんの似顔絵が飾られていた。壁に掛かる絵画も多くは客から贈られたもの。「この店を愛してくれるお客さんがいるから、店を大きくする気も増やす気もない。三つ星もいらない。流れ星みたいに自由であれば幸せ」

 【シェ・ピエール】
 東京都港区南青山1の23の10(乃木坂駅、TEL03・3475・1400)。午前11時半〜午後2時半、6時〜10時ラストオーダー。(月)休み(2月5日(火)〜7日(木)の昼は臨時休業)。ブイヤベースは毎年10月〜ゴールデンウイークの限定メニュー。5000円(ハーフサイズ3000円)。
(2008年2月5日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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