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2008.2.12(火)更新  味の地球儀@tokyo

 
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 ジャマイカ
ジャークチキン ジャークチキン
 心にレゲエ 肉にスパイス
 
 
伊林利幸さん
 ダン、ダン、ダン。骨ごと食べやすいサイズにカットする伊林利幸さん=撮影・信長江美
 スピーカーから流れる大音量のレゲエにあわせ、カラフルな衣装の男女が踊り明かす。レゲエ発祥の地ジャマイカでは、夕方になると、空き地や路上に即席のダンス会場が現れる。

 「野外ダンスにはジャークチキンの屋台がつきものです」と、東京・恵比寿でジャマイカ料理店「アラウィ」を営む伊林利幸さん(38)。小腹を満たすチキン料理は、十数種のスパイスやハーブを混ぜ合わせたペースト「ジャークシーズニング」に一晩ほど漬け込み、炭火で焼き上げたもの。

 鶏皮のぬるっとした感じや独特の臭みが苦手だった伊林さん。大学の卒業旅行で初めてジャークチキンと出合い、夢中でかぶりついていた。「カリッとした皮、スパイスの香ばしさにほれました」

 刺激的な味が忘れられず、数年後には単身現地に飛び込んだ。治安が悪く、地元の人も怖がる区域の「屋台村」や、学生時代に初めて食べた店に作り方を教えてくれと粘り強く交渉を続けた。熱意が伝わり、約1年かけて数人の料理人に習った。

 一説には、イギリスの植民地支配から逃れて山にこもった奴隷が、野豚を独特のスパイスにつけ焼いて食べたのが始まりという。今では、街の人の舌にかない、調理の簡単さからも鶏が主流になった。鉄板の代わりにドラム缶を使う屋台から高級レストランまで、様々なスタイルがある。

 さらに、店の数だけ味付けがある。修業中は、その多様さに魅せられた一方で、特定のレシピがなく苦しんだ。計量器で計っては自分の味を探したという。

 アツアツのうちに、ペッパーソースとケチャップをかけて食べるのが現地流。鼻に抜ける炭の香ばしさ、舌を刺激する辛さが食欲をそそる。修業時代によく聴いた、地元のレゲエ専門ラジオが一日中流れる。

 「さあ、ジャマイカ時間にようこそ」。2月は、ジャマイカ生まれのレゲエの神様ボブ・マーリーの誕生月でもある。

 【アラウィ】
 東京都渋谷区恵比寿1の26の13(恵比寿駅、TEL03・5793・5027)。午前11時〜午後10時半((日)(祝)は9時)ラストオーダー。ジャークチキン(豆ご飯付き)766円。揚げパン「フェスティバル」(80円)やビール「レッド・ストライプ」(780円)なども。テークアウト可。第3(日)にイベント開催。
(2008年2月12日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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