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オトコの別腹

奥山清行さん
「やまり菓子舗」の芋ようかん

「やまり菓子舗」の芋ようかん
「やまり菓子舗」の芋ようかん
「やまり菓子舗」の芋ようかん 奥山清行さん

 母と妹も芋ようかんが好きで、昔から各地に行くたびにお土産にすると喜んでくれて。なかでも、このようかんは飛び抜けておいしいんです。

 素材はベニアズマ芋と塩と赤ザラメ。でんぷんで固めていて、ほろっとしながら、ねっとりつながっている。一見素朴であっさりしているんだけど、口に入れると芋の甘みがほぐれて出てきます。香ばしい皮も入っていて、それもおいしさの秘密ですね。

 地元山形の白鷹町にある、最上川近くのお店のものです。店主は僕と同じく車好き。彼が一人で芋の選定から製造、企画までやっている。秋限定の栗蒸しようかんも絶品です。

 国内外を飛び回りながら、週に1度は山形へ帰ります。やっぱり地元で食べるのが一番おいしい。好きな煎茶も一緒に。ほっと一息できますね。

 5月1日から運行を開始する豪華列車「四季島」では、各地の地場産業を取り込んで、コンセプトから内装、外装、料理など、すべてをデザインしました。僕の集大成です。いつかこの芋ようかんも四季島で出したいですね。

 

◆山形県白鷹町荒砥甲1213(TEL0238・85・2146)。
 1本950円。
 午前8時~午後6時。無休。
 オンラインショップで注文可。


 おくやま・きよゆき 工業デザイナー。
 アメリカとイタリアで25年間生活。自動車やオートバイ、鉄道などのデザインを手掛ける。2007年から、KEN OKUYAMA DESIGN代表。

(2017年4月21日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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