五十三次 京三條橋
江戸・日本橋から約500キロ、東海道五十三次の終着点は京の玄関口・三条大橋。東山や八坂の塔を背景に、頭に薪をのせて売り歩く大原女、茶筅をさした竹棒をかつぐ茶筅売り、衣を頭にかぶった被衣姿の高貴な女性が行き交う。
造形作家の岡﨑乾二郎さん(61)が他作家の作品を選び、資料を加えて展示、抽象芸術とは何かを問い直す今展。岡﨑さんのギャラリートークに参加した。
最初の展示室に登場したのは、おもちゃ。4台の机の上にカラフルな小さいチップや、長さ15センチほどの棒、積み木などが並ぶ。ドイツの教育者フレーベルや、シュタイナーらの「幼児教育遊具」だ。
岡﨑さんはおもちゃを指しながら話す。「丸いチップは、並べると印象派のような点描になり、棒は積み重ねると立体になります。児童教育は芸術を理想的に実感することなんですよ」。建築家のF・L・ライトや画家のカンディンスキー、クレーらも、これらの遊具で遊んだという。