美博ノート

「鳳凰文食籠(ほうおうもんじきろう)」

並河靖之七宝展(パラミタミュージアム)

「鳳凰文食籠(ほうおうもんじきろう)」

並河靖之七宝記念館蔵

 卓越した技術と繊細な意匠で名をはせた京都の七宝家、並河靖之(1845~1927)。没後90年を記念し、初期から晩年までの作品が一堂に集う。

 京都の武家に生まれ、10歳で養子に出されて後の久邇宮朝彦(くにのみやあさひこ)親王に仕えた。20代後半、副業として複数の事業に手を出すが、どれも失敗。たどりついたのが七宝製造だった。

 本作は明治6(1873)年、28歳で手がけた初の作品。トルコブルーの背景地に、鳳凰が舞う。中国七宝を模した、濁った釉薬(ゆうやく)を使う技法は、「泥七宝」と呼ばれる。「モチーフにも中国の影響が見られますね」と学芸員の湯浅英雄さん。

 完成後、久邇宮親王に献上するも、後に別の作品と交換してもらったという。記念すべき第一作目を、手元に置いておきたかったのだろう。

(2017年12月5日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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下図「御紋付雀山咲図壺(ごもんつきすずめやまぶきずつぼ)台座付」

下図「御紋付雀山咲図壺(ごもんつきすずめやまぶきずつぼ)台座付」

黒の背景地に咲き誇る黄色いヤマブキ。飛び交うスズメからは、さえずりが聞こえてきそうだ。頸部(けいぶ)の菊紋は、皇室関係からの注文品という証しだろう。

「どくだみ」

「どくだみ」

宮脇綾子(1905~95)はドクダミを愛し、繰り返し作品のモチーフに用いた。

「色紙日記」

「色紙日記」

宮脇綾子(1905~95)は67年から69年まで毎日色紙に日記をしたためた。本展ではそのうちの32点が並ぶ。

「鮭」

「鮭」

主婦として3人の子を育てながら、身の回りの古布でアップリケ作品を制作した宮脇綾子(1905~95)。本展では、昨年遺族から同館に寄贈された15作品を含む約50点と資料で、彼女の初期から晩年までをたどる。

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