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私の描くグッとムービー

室山まゆみさん(漫画家)
「ロミオとジュリエット」(1968年)

この横顔が漫画少女の原点

 室山まゆみさん(漫画家)「ロミオとジュリエット」(1968年)

 

 真里子 日本公開時の45年前、リアルタイムで見ているんです。当時、私は中1、姉の真弓は中3。2人で少女漫画家をめざしていましたが、横向きの人物画を描くのは、なかなか難しかった。

 真弓 作品ポスターの、オリビア・ハッセーの横顔が完璧で「これだ!」と。少女漫画を描くならこの映画を見なければならないと思いました。

 真里子 いざ見始めると衣装がとにかくすてきだった。これまで映画や本で見たジュリエットは金髪でふわふわしたイメージだったけれど、オリビア版は全く違って衝撃が走りました。「あの衣装を全部覚えるのよ!」と集中して、その日は結局2回半見ましたね。

 真弓 15世紀中頃、敵対するイタリア・ベローナの名門モンタギュー家の一人息子ロミオと、キャピュレット家の一人娘ジュリエットが許されぬ恋に落ちるというストーリーは、以前に読んでいたシェークスピアの原作そのものでした。

 真里子 ただ、あの有名なバルコニーで愛を交わすシーンは、肌もあらわな寝間着のジュリエットが奔放に振る舞っていて、ずいぶんと現代っ子になってしまったな、という印象です。

 真弓 今も映画が大好きですが、この作品はあえて見ないようにしています。当時、大人びて見えたオリビア・ハッセーへの憧れや、衣装への感動が消えてしまいそうですから。

 真弓 真里子 あの記憶をそのままにしておきたい!

聞き手・西村和美

 

  監督・共同脚本=フランコ・ゼフィレッリ
   製作=伊・英
   出演=レナード・ホワイティング、オリビア・ハッセーほか
むろやま・まゆみ
 姉・室山真弓と妹・真里子の共同ペンネーム。代表作は「あさりちゃん」(小学館)。「月刊flowers増刊」(同)で短編を掲載中。
(2014年12月19日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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