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旅してサプリ

年の初めの富士づくし 
箱根で絶景探し

芦ノ湖に映った逆さ富士が見られるかも=箱根町提供
芦ノ湖に映った逆さ富士が見られるかも=箱根町提供
芦ノ湖に映った逆さ富士が見られるかも=箱根町提供 大涌谷くろたまご館から徒歩15分ほどの自然研究路では、噴煙を近くに見られる 取材では、残念ながら頭頂部の雲が晴れることはなかった 絹地に墨で描かれた、横山大観「霊峰一文字」(部分)。大観は生涯に1500〜2千点の富士山の絵を描いたといわれている=岡田美術館提供

 
 箱根といったら温泉に駅伝、そして富士山。その雄大な姿を近くに望めるスポットが、箱根にはたくさんあるんです。たとえ天候に恵まれなくても、いろいろな趣の「富士山」に出合える場所も紹介します。

 取材・文/河瀬久美
 撮影/篠塚ようこ

 

 富士山、見えるかな?

 午前7時、新宿駅から箱根湯本駅に向かうロマンスカーに乗った。今日は晴天。箱根が近づくとさっそく、車窓から富士山の姿が見えた。

 まずは大涌谷へ。ロープウェーで近づくと、眼下の谷に火山性蒸気の白煙が噴き出していた。しかし前方に見えるはずの富士山は雲の中。観光施設「大涌谷くろたまご館」の三山彰彦さんによれば、朝が一番富士山が見えやすく、晴天でも時間がたつほど雲に覆われてしまうそうだ。

 次の目的地は桃源台港。おもちゃのような「箱根海賊船」から富士山を眺めつつ芦ノ湖をクルーズするはずが、その姿は見えないまま元箱根港に到着。芦ノ湖のほとりでやっと姿が拝めたが、頂上は雲に隠れたままだ。

 疲れを癒やしに、姥子の「ホテルグリーンプラザ箱根」へ。露天風呂から富士山が望めるはずだが、やはりここでも……。しかし自家源泉の湯は、歩き回って冷えた体をじんわりと温めてくれた。

 美術館で出合える富士山

 箱根には、天候に恵まれなくても「富士山」に出合える場所がある。

 小涌谷の岡田美術館。目当ては横山大観の絵画「霊峰一文字」だ。照らし出された横9メートルの大作が、薄暗い展示室で浮かび上がっていた。1926年、大観が当時の大阪文楽座の総座頭の病気回復を祝い贈った作品。小林忠館長によれば、黒雲を割り姿を現した富士山は、病を克服した生命力を表しているという。

 強羅の箱根写真美術館では、箱根出身の写真家、遠藤桂さんが富士山を写した作品を展示している。「毎日夜中の1時半に起きて、空の感じが良ければ撮影に出かける」と遠藤さん。月明かりに照らされた富士山に、一面の銀世界の中の富士山……。遠藤さんが「生活の一部として」撮影した富士山は、時に力強く、時に神秘的で、どれも美しかった。

 

 

大涌谷くろたまご館
TEL0460・84・9605

ホテルグリーンプラザ箱根
日帰り温泉は正午〜3時、大人1600円。毎月第1・第3木曜休業(臨時休業あり)。
TEL0570・092・489

岡田美術館
「霊峰一文字」が展示されているのは、開館一周年記念展「大観・春草・御舟と日本美術院の画家たち」(3月31日まで)の期間中。
TEL0460・87・3931

箱根写真美術館
TEL0460・82・2717
※岡田美術館と箱根写真美術館の入館券などをプレゼント。詳細は下に。

 

 

ナマズLL

 食べれば7年延命?

大涌谷の温泉でゆでることで、殻が黒くなる「黒たまご」。大涌谷の「延命地蔵尊」にあやかり、食べると7年寿命が延びると言われているのだとか。自然研究路の玉子茶屋でゆでたてを販売。5個入り500円。問い合わせは、大涌谷くろたまご館へ。

 

 


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(2015年1月14日、マリオン・ライフ、マリオン・プレゼント掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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