薄く滑らかなのし餅の中には、やわらかめに仕上げた唐津産のからすみ。表面に少し焦げ目がつく程度に炭火であぶると、餅の香ばしさとからすみの濃厚な風味が溶け合い、何ともぜいたくな酒の供になる。
「紫野和久傳(むらさきのわくでん)」は、京都の料亭「和久傳」が始めた「おもたせ専門店」。日本の食文化を大切にした和菓子やつくだ煮、弁当などには、どれも豊かな季節感と風情が漂う。3月末までの限定となる「からすみ餅」=写真=は、高級珍味と餅の取り合わせが新鮮な一品だ。
「もともとは料亭で料理の合間に出していたもの。それが好評で商品化したんです」。東京・丸の内の直営店をはじめ、都内の4店舗を切り盛りする桑村祐子さん(41)はそう話す。からすみはあぶると風味が増すが、直火だと固くなってしまう。そこで、のし餅で包むという発想が生まれた。「意外な素材の組み合わせは、料理屋だからこそできたものでは」と桑村さん。家庭ではオーブントースターで温めれば、手軽においしく味わえる。
桐(きり)箱入り3枚4725円、5枚7665円。1枚(1470円)から販売しているので、自分用に楽しむのもいい。若い人も気後れせずに気軽に立ち寄れるデパ地下の店舗は、松屋銀座(TEL03・5250・8669)などにある。