銀座三越(TEL03・3562・1111)に「吉野すし」が開店した。大阪・船場で160年以上続く、大阪ずしの老舗(しにせ)だ。
押しずし、巻きずし、ちらしずしなどを総称して「大阪ずし」と呼ぶ。江戸前と違って生の食材は一切使わず、時間がたっても味が落ちないのが特徴だという。
関東では初出店。同百貨店バイヤーが味にほれ込み、1年以上交渉を重ねて実現した。
一番の売れ筋は「箱寿司(ずし)」(写真手前、1628円から)。淡路島などで取れたアナゴや明石産のタイ、肉厚な潰司(つぶし)シイタケなどの素材を丹念に仕込み、二寸六分(約8センチ)の木枠の型で押して作るぜいたくな一品だ。蒸す、焼く、炊く、といった多彩な技法が凝縮されていることから、「二寸六分の懐石」とも呼ばれる。味わってみると、甘みのあるご飯が具材の味を引き立て、優しい味わいだ。
高野豆腐などを巻いた「巻寿司」(1本609円)、混ぜご飯を卵で包んだ「袱紗(ふくさ)」(683円から)なども。
「素材の良さを引き出す伝統の味付けと、見た目の美しさが真骨頂」と、同店専務取締役の橋本卓児さん(27)。場所柄、歌舞伎鑑賞用の弁当として買い求める中高年の姿もあるという。手土産としても喜ばれそうだ。