夏休み目前。今回は、フランス人が愛するバカンス(休暇)のお話です。
去る3月、国土交通省の招きで、福岡でのシンポジウム「日本人の休暇と旅文化について」に参加しました。
せっかくのテーマですし、ついでに1週間のバカンスを楽しむことに。バカンスは自分で決めたときにとるもの。みんなが出かける祝日の大型連休のことではないのです。
柳川で運河クルーズをし、ひな祭り「さげもん」を見学。唐津のそばの海沿いに宿をとって、おいしい食事にお風呂、畳の生活……。私は民宿や和風旅館に滞在するのが大好き。部屋に通されたとたん、心がリラックスするのを感じます。また、すばらしい庭と趣のある宿「洋々閣」にも宿泊。オーナーがフランスびいきだったこともあっておしゃべりも弾みます。
九州の人たちは、とてもおおらか。本音と建前がない話しぶりや、のびのびとした雰囲気、国際的で「ガイジン」に過剰反応しないところも気持ちいい。これは、歴史的な背景や地理的な影響があるのかもしれませんね。
思いがけない出会いもバカンスならではでしょう。人間国宝だった故12代中里太郎右衛門の息子さんで、唐津で活躍する陶芸家の中里重利さんと知り合い、人里離れた山の中へ工房見学に。旅の醍醐味(だいごみ)は人や風景、美しいものを発見すること。それが予定外のものであるほど印象的です。
「いつ戻ってくるのか」と、東京から電話がくるたびに言われたのが、うらやましそうな声の「長〜い!」。
満タンになったバッテリーとたくさんの思い出と一緒に、東京に戻ったのでした。メルシー、九州!