昨日からベネチア映画祭が始まっていますが、私が行ったカンヌ映画祭は記念すべき第60回にふさわしく、いま思い出しても豪華な顔ぶれでした。コーエン兄弟や王家衛(ウォンカーウァイ)など強豪の中、最高賞パルムドールはルーマニアのクリスティアン・ムンジウ監督「4カ月、3週間と2日」に。そして、グランプリに河瀬直美監督の「殯(もがり)の森」!
こうした予算の少ない、重いテーマの作品が選ばれるのが、カンヌらしさだと思います。非商業主義で、話題性より作家性を評価する。これが映画製作者から支持を得ているところです。
「殯の森」の公式上映は最終日の前日でした。コンペ参加が決まったのもギリギリだったそう。そして上映後、スタンディングオベーションが20分も続いたのです。「もしかして!」という、うれしい感触を持ったのは私だけではないでしょう。
期間中、パーティーや公式上映などいろんな場面で会って話をした河瀬監督は、強く、自信に満ちあふれていました。息子を抱いた夫をいつも後ろに従えていたのもほほ笑ましい!
日本の美、日本の心を伝えながら、「死」という誰もが自分の中に持つ大きなテーマを扱うことで、多くの観客に感動を与えました。私は茶畑でかくれんぼするシーンが大好き。深い緑が印象的です。
そんな日本らしい作品が、じつは日仏の共同制作であることはご存じですか? 以前から河瀬監督を支援していたデザイナー、アニエスb.=写真左=のブティックでは、コンペ参加を記念したパーティーも行われました。
受賞の裏に、こんな日仏の交流があったなんてうれしい話です!