日本とフランス行ったり来たりを年3、4回繰り返し、先日もパリから戻ったばかり。私のパスポートは丸と四角の成田のスタンプでいっぱいです。
実は最近まで、成田の到着ロビーにある看板が「Welcome to Japan」「おかえりなさい」と2種類に分けられているのが気になっていました。日本人は身内、外国人なら他人というように、日本人ならではのビッグファミリー意識の表れというか、島国らしさの象徴のように感じていたのです。
でも、今回はやけに「お帰りなさい」が心にしみるのです。電話やEメールはほとんど「ドラお帰り!」から始まるし、近所の人からも「あらドラさん、お帰りなさい」と声をかけられます。フランス語には直訳できない言葉の一つですが、「お帰りなさい」ってなんて気持ちのいい言葉なんでしょう! 私はすっかり日本人になってしまったようです。
翌日はさっそく、なじみの小料理屋へ。和室には季節の花が飾られて、旬の食材が見た目も美しく運ばれてきます。土瓶蒸しのシンプルで香り豊かなこと! 戻り鰹(がつお)に添えられたモミジの葉の鮮やかさ……。日本はやはり美しいと再発見する瞬間です。
しばらく日本にいると、せわしないペースに「ああ! 過労で倒れちゃう!」なんて悪態をついたりもするのですが、人を安心させる温かさや、日本料理をはじめとした文化に感じられる美のセンスは、私にとって欠かせないもの。
これから紅葉が美しくなる季節です。温泉に日本酒、好きなものを堪能しに、さあ出かけましょうか。