バラを一輪抱えた男性が行き交う、曇天のパリのある日。カフェや地下鉄で見かけ、「お花屋さんのキャンペーンかしら」と思ったら、ボーイフレンドから私にも「ヴォアラ(ほらどうぞ)」。聖ヴァランタン(バレンタイン)の日だったなんて思い出があります。
日本では女性からチョコレートを贈る日になっていますね。好きな人だけでなく、お世話になっている人にもあげる「義理チョコ」なるものもあると知ったときはびっくりしたものです。
フランスでは、今日2月14日は「アムール(愛)の日」。カップルは一緒に過ごして愛を確かめ合う日です。お店のウインドーやカフェにハートの装飾がなされ、街もなんとなくカップルのための雰囲気に。
特別な決まりはありませんが、だいたい男性が女性に、愛を伝えるカードやプレゼントを贈ります。ハート形の小物を探したり、自分で詩を書いたり、愛の歌が収録されたCDを添えたり……。もちろん、カップルだけのためではなく、自分の気持ちを伝えるのにもいい日です。
欠かせないのはカードです。愛の日に渡されるカードにつづられた言葉は、いくら毎日「ジュテーム」を言われている身でも、新鮮で、うれしいもの。どんな言葉で愛を伝えるか、ということにフランス人は敏感なのです。
メールもいいけれど、こんな日は手書きが心に染みます。フランスでは毎年この時期、ハートモチーフの記念切手が売られます。去年はジバンシーのデザイン、今年はフランク・ソルビエです。いつも、この日は日本にいる私。フランスからハートの切手が張られたエアメール、来てないかしら?