穏やかな春の日ざしがあふれるこの季節、職場や学校にはフレッシュな新人たちが目立ちます。転任・引っ越しなども多く、あちこちで新たな出会いがあるでしょう。
お付き合いの最初に交わすあいさつや第一印象は重要です。日ごろの考え方や思いが、一瞬にして目つきや表情、ものの言い方、身のこなしに表れます。
江戸のルールでは、初対面の人に「年齢」「勤め先」「身分」を聞いてはいけないとされ、これを「三脱の教え」といいました。失礼にあたるというより、余計な情報が入ることで一種の色眼鏡で相手を見てしまい、その人の素顔や本心を見通せなくなることを恐れたのです。これは、現代でも十分通用する考え方といえますね。
「三脱の教え」をふまえた上で、立場や上下関係にかかわらず、自分からあいさつを心がけましょう。あいさつは、「お互い、たった一度の人生を気持ちよく生きましょう」というエールです。「私はあなたに敵意を持っていませんよ」という心の瞬間的な表現といえます。
江戸しぐさの考え方では、思いやりが基本。特に上に立つ者の思いやりが重要です。
江戸しぐさの導入に熱心なある中学校で、上級生から下級生へ「おはよう」と声をかける運動を展開している様子をテレビで伝えていました。番組の中で、生徒たちが口々に、「やっぱ、あいさつすると気持ちいい」と言っていたのが印象的でした。