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2007.3.28(水)更新  江戸しぐさ

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※新コラム「江戸城を歩こう」好評連載中!
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名君の老後にならう

 長崎県平戸市の松浦史料博物館には、江戸後期に平戸藩主・松浦静山によりつづられた「甲子夜話(かっしやわ)」という随筆集の実物が収蔵されています。俳諧、歌舞音曲、噺(はなし)など、芸の世界で70歳、80歳の老人が活躍していた様子が書かれていると聞いておりました。先日、あるご縁で訪問する機会に恵まれ、私はわくわくしながら、絵だけでも十分楽しく拝見したのでした。

 「甲子夜話」とは、隠居した静山が、世情や自身の知識を書きとめたものです。60歳を過ぎてから没するまでの約20年間、毎夜書き続けたそうで、総計278巻の貴重な記録を後世に残しました。文武両道に秀でたと言われた名君の老後の生き方に感動させられます。

 江戸では、老後を「老入(おい)れ」と言いました。年を取ってから新しい人生が始まるような、新鮮な感じがしませんか。

 「江戸しぐさ」では、老人は人生の先輩として凛(りん)としたものを持ちながら、若い人たちを笑わせ、引き立て、良いものを伝えていくことを目標としています。一つでも後進の役に立つよう、自分自身の心を豊かに、健康に気を付け元気に暮らすことから始めたいですね。独り暮らしのお年寄りと子供たちが交流し、老若共同で暮らしの新しい知恵やしくみを考える世の中にしたいと思います。

 長い間お読みいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。

 =おわり

 ◆この連載は、7月初めに朝日新聞社から出版されます。

(江戸しぐさ語りべの会・主宰)

題字・イラスト 伊藤美樹

越川 禮子

(2007年3月28日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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