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2009.9.16(水)更新  エンドロール/「マーシャル博士の恐竜ランド」
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「マーシャル博士の恐竜ランド」×
字幕翻訳・石田泰子さん
制約の中に「笑い」込める

 若者の活字離れは映画界にも押し寄せる。外国映画を字幕版より日本語吹き替え版で見る人が増えているという。「字幕は演者の肉声を肌で感じられるだけに、さみしい現実。だからこそ、分かりやすく読みやすいことが大切ですね」と字幕翻訳の石田泰子さんは力を込める。

      試写室で字幕画面を
      確認する石田さん
 最新作の「マーシャル博士の恐竜ランド」は、米国のコメディー映画。異次元世界の存在を研究するマーシャル博士(ウィル・フェレル)がタイムワープで奇想天外な世界を冒険する物語だ。石田さんは、まずビデオを見ながら英語の台本に区切りを入れ、どの部分を一つの字幕にするかを考えた。すると、字幕が画面上に出ている間に、観客が読み取れる制限字数が割り出される。秒数で表すと、1秒で約4文字。一度に表示できるのは最大2行で26文字と決まっている。この制約の中で笑わせることが腕のみせどころ。「老若男女の方に理解してもらうことが、字幕翻訳の使命だと考えています」

 だが、アメリカと日本の「笑い」には違いがある。現地で映画を見た友人にたずねると、アメリカ人は、マーシャルが学説を証明する「ライターの跡を残した化石」を見た時のセリフに笑っていたという。シーンの中では前後関係がなく、日本人には伝わりにくい。そこで石田さんは、マーシャルの驚きが思わずこの言葉をつぶやかせたと解釈し、笑いにつながるようにセリフを考えた。使える字数は8文字程度。お風呂の中で考えたり、思いついたらすぐメモをとったり。完成したのが「こりゃオドライター!」。

 1週間で全翻訳を仕上げた。仕事の合間をぬって、散歩に出かけることが好きだという。「いろんな所にアンテナをはっておきたいです」。その一つが、知人の誘いで始めた俳句の会。字幕同様、限りある字数で、野の花や深遠な宇宙に思いを巡らせる。(甲田朋子)

9月18日から、TOHOシネマズみゆき座ほか全国公開。

(2009年9月16日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
 

 

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