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中国現代美術の「やる気」
2月に初めて上海に遊びに行った。反日デモの起こるちょっと前のことだ。経済発展の目ざましい中国を見たいという好奇心と、もちろん食への欲望と連れ立って。上海は大都会だった。ポスト・モダン風の高層ビルが立ち並び、ハイウエーを輸入高級車が疾走する。
画商の友人と一緒に行ったので、最近、とみに台頭してきているという上海の現代美術も見ることになった。車で美しい租界地域を過ぎ、ガタガタ道を走る。あたりがさびしくなってきた頃、町はずれの蘇州河の西に着いた。同行した中国の女性が「この辺は上海のごみ置き場といわれていた」という。「夢の島」みたいなところだったらしい。
その近くに画廊やアーティストのスタジオのある一角があった。目指すは国際的なアートフェアにも出店しているという香格納画廊のウェアハウス。高い天井、広く、がらんとした倉庫に、大きなペインティングや立体がひしめく。照明は暗く、寒い。周鉄海というアーティストの駱駝(らくだ)のような頭部の人物や他の画家によるリキテンシュタイン中国版のような人物など、どれもちょっとエグイ″品。だがそのエグミ≠フ分、やる気のエネルギーがうずうずと足元から這(は)い上がってくる。
ここには欧米からも画商やコレクターが来て作品を買っていくそうだ。近未来、大金持ちになった中国人が自国の現代作家を、われもわれもと高値で買う日がくることを予想しての先物買いだろうか。そうなれば中国の市場は大きい。バブルの頃の日本の現代美術ブームのようなひとときの徒花(あだばな)にはなるまい。
(ガレリア・グラフィカ)
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