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さわやかな一匹オオカミ
一匹オオカミというかタヌキというか、画商には変わり者が多い。知り合いにロビン・ガートンという画商がいる。以前はロンドンのボンド・ストリートに画廊をもっていたが、今はウィルトシャーという地方にひっこんでいる。そのロビンから隔年で、寄付を募る手紙がくるようになった。ワン・ワールド・アクションというチャリティー活動の一環として行動しているらしい。まず内戦とハリケーンとエル・ニーニョから未(いま)だ立ち直れない南米のニカラグアの一地方への水と衛生設備の供給のための寄付、そして昨年はネパールの高地に住む人々のためのものだった。
寄付の依頼はいろいろな組織からくる。しかし、ロビンの場合はユニークだ。彼は自分の知人に寄付を依頼し、そのお返しに自分の肉体の極限を試すような苦難を自分に課すことを約束する。ニカラグアのときは、アルプスのマッターホルン4500メートル登攀(とうはん)に挑戦した。昨年は、北ペルーのパロン湖の上方4200〜4900メートルにある氷山の調査に加わった。
とても60歳になった画商のやることではないが、ロビンの茶目(ちゃめ)っ気のある眼(め)とはにかんだような顔を思い出すとなんだかおかしくもある。「朝の6時、凍える闇の中で岸壁を登ろうと試みているのはかなりバカバカしいと感じる」といいながらも、やめる気配はない。
ときには、うさんくさい画商の話も聞く一方、ロビンのようなさわやかで男気のある画商も世界にはいる。来年はどういう寄付依頼で、どんな冒険をするだろうか。
(ガレリア・グラフィカ)
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