マリオン・コムロゴ
2005.7.28(木)更新  銀座ギャラリー日記

銀座ギャラリー日記 バックナンバーへ

アートフェアの「熱い夏」

 スイスのバーゼル。毎夏、ここで開かれる世界最大級のアートフェアを訪れた。ヨーロッパは今年も猛暑、メッセ会場は熱気でいっぱいだ。

 聞いた話では、初日にはスニーカーに履き替えたコレクターが注目の作家の作品をいち早く買おうと駆け込んでくるという。主なターゲットは2階のコンテンポラリー・アート。今年の販売は大成功だったようで、6日間の会期前半を終えたところですでに、人気作家をかかえた画廊では展示品が売り切れたり、展示替えを一度ならずしたりしたという。

 「競って早く買う」といったホットな空気が、現代アートの世界を覆っている。ベニス・ビエンナーレで賞を獲得したトマス・シュッテの作品はフェアが開場して5分後に売れてしまったそうだ。価格は41万ユーロ、約5500万円。上体をマントのような布で覆い、太いコイル状の足をした坊主頭3体の作品なのだが、なんとも不気味。

 日本の5画廊も出店していた。会場にブースが迷路のように並び、ショッキングな作品が入り乱れている。一日では見終わらない。翌日、再挑戦。この日は1階に並ぶ世界の超有名・老舗画廊のブースを巡った。ピカソやマチスはもちろん、ミロ、タンギー、エルンスト、イブ・クラインが並び、美術館のよう。

 ある画廊が小さいがとても素敵な1922年のクレーのドゥローイングを展示していたので、値段を聞いてみたら57万5千ドル。ただため息をつくのみで、熱い会場をあとにした。

(ガレリア・グラフィカ)
(2005年7月28日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
 
■■■ バックナンバー ■■■

第15回 ひと足先に「クレー三昧」 (2005/07/21)
第14回 ネット取引、新たな仕組みを (2005/07/14)
第13回 広がるアート・マーケット (2005/07/7)
第12回 古典版画をめぐる「変化」 (2005/06/30)
第11回 美術館を支える努力と文化 (2005/06/23)
第10回 作品の下見と「ハプニング」 (2005/06/16)
第9回 さわやかな1匹オオカミ (2005/06/9)
第8回 中国現代美術の「やる気」 (2005/06/2)
第7回 子育てと創造、輝くふたり (2005/05/26)
第6回 彼女の心に届いた言葉は (2005/05/19)
第5回 アーティストは「変化」する (2005/05/12)
第4回 コレクションを預かる喜び (2005/04/28)
第3回 最後の言葉「只エガキタシ」 (2005/04/21)
第2回 新しい才能に出会う醍醐味 (2005/04/14)
第1回 青年は、画廊の扉を開けた (2005/04/07)

asahi-mullion.comトップページへ
サイトマップ | 会社案内 | 朝日マリオン・コムとは | 姉妹メディア | 会員規約 | 個人情報・著作権
asahi-mullion.comに掲載の記事や情報、写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2005 Asahi Mullion 21. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.