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アートフェアの「熱い夏」
スイスのバーゼル。毎夏、ここで開かれる世界最大級のアートフェアを訪れた。ヨーロッパは今年も猛暑、メッセ会場は熱気でいっぱいだ。
聞いた話では、初日にはスニーカーに履き替えたコレクターが注目の作家の作品をいち早く買おうと駆け込んでくるという。主なターゲットは2階のコンテンポラリー・アート。今年の販売は大成功だったようで、6日間の会期前半を終えたところですでに、人気作家をかかえた画廊では展示品が売り切れたり、展示替えを一度ならずしたりしたという。
「競って早く買う」といったホットな空気が、現代アートの世界を覆っている。ベニス・ビエンナーレで賞を獲得したトマス・シュッテの作品はフェアが開場して5分後に売れてしまったそうだ。価格は41万ユーロ、約5500万円。上体をマントのような布で覆い、太いコイル状の足をした坊主頭3体の作品なのだが、なんとも不気味。
日本の5画廊も出店していた。会場にブースが迷路のように並び、ショッキングな作品が入り乱れている。一日では見終わらない。翌日、再挑戦。この日は1階に並ぶ世界の超有名・老舗画廊のブースを巡った。ピカソやマチスはもちろん、ミロ、タンギー、エルンスト、イブ・クラインが並び、美術館のよう。
ある画廊が小さいがとても素敵な1922年のクレーのドゥローイングを展示していたので、値段を聞いてみたら57万5千ドル。ただため息をつくのみで、熱い会場をあとにした。
(ガレリア・グラフィカ)
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